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最新の医学専門誌に報告された、 がん・栄養・環境リスクに関する疫学研究を紹介します。

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がん検診の有効性評価、報告書まとまる。


がん検診の有効性評価をまとめた、厚生労働省の補助金による研究班の報告書が、12月19日に公表された。

402ページからなるこの報告書は、久道茂東北大学教授(公衆衛生学)を班長とする、厚生労働省の補助金による研究班の作業をとりまとめたものだ。

研究班は、各種がん検診の有効性について、死亡率減少効果を中心に、内外の文献を批判的に吟味して評価した。その上で、共通の基準を用いて、下表のような有効性の判定を行った。


がん検診の「評価判定」のまとめ
I群
I-a 検診による死亡率減少効果があるとする、十分な根拠がある。
擦過細胞診による子宮頚がん検診
視触診とマンモグラフィの併用による乳がん検診(50歳以上)
便潜血検査による大腸がん検診
I-b 検診による死亡率減少効果があるとする、相応の根拠がある。
胃X線検査による胃がん検診
視触診とマンモグラフィの併用による乳がん検診(40歳台)
胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診の併用による肺がん検診(日本)
肝炎ウィルスキャリア検査による肝がん検診(罹患率減少効果)
I-c 検診による死亡率減少効果がないとする、相応の根拠がある。
ヘリコバクタ・ピロリ抗体測定による胃がん検診
胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診の併用による肺がん検診(欧米)
直腸診による前立腺がん検診
視触診単独による乳がん検診
I-d 検診による死亡率減少効果がないとする、十分な根拠がある。
なし
II群
検診による死亡率減少効果を判定する適切な根拠となる研究や報告が、現時点で見られないもの。また、この中には、検査精度や生存率等を指標とする予備的な研究で効果の可能性が示され、死亡率減少効果に関する研究が計画または進められているものを含む。
血清ペプシノゲン検査による胃がん検診
ヒトパピローマウィルス感染検査による子宮頚がん検診
細胞診による子宮体がん検診
超音波断層法(経膣法)による子宮体がん検診
超音波断層法単独による卵巣がん検診
超音波断層法と腫瘍マーカーの併用による卵巣がん検診
視触診と超音波検査による乳がん検診
らせんCTと高危険群に対する喀痰細胞診の併用による肺がん検診
超音波検査による肝がん検診
前立腺特異抗原(PSA)測定による前立腺がん検診


がん検診の有効性を、共通の方法を用いて評価し、グレード判定を行うのは、国際的にはいくつか行われている。今回の報告書は、厚生労働省の補助金による研究班の、がん検診の有効性評価の総まとめとしては、3回目にあたる。ただし、はっきりしたグレード判定を導入したのは、今回がはじめてだ。

この報告書は、市町村等の自治体が、公的施策としてがん検診を行うことを主に念頭において、死亡率減少効果を中心とする効果判定を行っている。けれども同時に、いっぱんの市民が、自分の受ける検診を個人として判断するうえでも、役立つものだろう。

報告書の全文を、東北大学医学部公衆衛生学教室のホームページから、PDFファイルとしてダウンロードできる。「全体のまとめ」の章に、報告書の全体が要約されている。
http://www.pbhealth.med.tohoku.ac.jp/top.html


出典 がん検診の適正化に関する調査研究事業・新たながん検診手法の有効性の評価報告書。日本公衆衛生協会、2001。